
会社内部の人間関係や仕事の大変さ、プライベートなどで精神的にバランスを崩してしまう人が現代社会には多く存在します。
中でもうつ病は誰もが経験する可能性のある心の病であり、決して他人事では考えられない精神疾患でもあります。
実際には骨折のように目に見える病気ではないため、医師の診断書を基にうつ病の状態であることを認定して休職などの手続きに入ります。
この診断書はどのような条件で発行をされるのか、そして休職の手続きや給料はどのように扱われるのかが多くの患者にとっては気になる部分です。
目次
初診であってもうつ病の診断書の発行はしてくれる
うつ病の診断書は精神科もしくは心療内科で発行されます。
結論からいえば、初診であっても診断書の発行はできます。
もちろん初診であることや別の精神疾患、別の病気である可能性を考慮して、それはできないと断る医師もいます。
ただ、多くの医師は初診であっても発行してくれます。
誰でもそういうことができてしまうと多くの人がそれを理由にして休職しようとするため、一応の問診は受けます。
問診票には症状がいつから出ているのか、睡眠や食欲などは十分にあるのかなどを記入していきます。
人によってはインターネットの診断サイトの結果を持ち込んでくる人もいます。
うつ病の診断書の発行は患者側から提案しないと医師側からは発行しない
診断の際には医師と症状やどういう環境でそうなったのかなどの話をしていきます。
初診でそれらを判断するのは非常に難しく、見た目にも明らかに重そうな症状であり、手を施さないと大変なことになるのがわかる場合には発行される傾向にあります。
また、条件として知っておきたいのは患者の側から提案しなければならないことです。
初診の患者に対して、医師が診断書の発行を持ちかけることはほとんどありません。
何回も診察をしていく過程で症状がひどい状態で仕事をしているのを知る医師であれば持ちかけることもあるかもしれませんが、初診の人に対していきなり診断書の発行を提案はしません。
休職を求める場合のうつ病の診断書が発行される条件はややハードルが高くなる
発行される条件としては、初診であれば最初から辛そうな感じを見せて発行をお願いすること、何回も診察をしている人であれば発行をお願いすればすぐに発行してくれます。
条件としては、そこまでハードルの高いものではなく、特に精神安定剤などを処方してもらっている人であれば、すぐに発行されて会社への提出もできます。
ただ、疑わしい場合や初診の場合は1カ月だけ様子を見るような形で発行されることが多いです。
2か月以上の休職を求める場合は初診では難しく、何回か通った中で書いてもらうのが無難です。
休職後の給料は傷病手当ての申請書を会社に提出
診断書を手にし、会社に対して休職願を提出して会社を休む流れとなります。
この時に会社側が給料を負担することもありますが、中小企業などはそこまでの余裕がないため、その期間の給料は支払わないのが一般的です。
給料が支払われない場合に傷病手当ての申請をする必要があります。
傷病手当ての申請は普段からもらっていた給料がベースとなるため、申請書の提出は会社に対して行います。
傷病手当てでは待機期間があり、休職から最初の3日間は給付の対象外となり4日目から対象です。
この待機期間に有給休暇や土日休みを充てることができるため、その活用はしておきたいところです。
傷病手当てでもらえるお金は給料の3分の2程度、最大1年半受給
気になるのは傷病手当てでもらえるお金ですが、普段の給料から算出した標準報酬月額を日割りした標準報酬日額の3分の2が1日当たりに支給されるお金です。
だいたい普段もらっている給料の3分の2程度が支給されると考えて間違いありません。
傷病手当金は最大1年半受給できるため、その期間は給料の3分の2は保障されたような状況です。
しかし、1度申請したらそれからずっと支給され続けるわけではないのも厄介なところです。
例えば、4月中の傷病手当てを支給してもらうには、5月1日以降に申請書に医師の証明を書いてもらってそれで提出しなければなりません。
傷病手当ては非課税
普通の給料は当然ながら所得の扱いとなりますが、傷病手当てに関しては所得とはならず非課税です。
そのため、傷病手当てから源泉徴収で差し引かれるようなことはありません。
手元に残るお金を考えれば普段受け取っている給料とそこまで差が出るということもないと言えます。
また傷病手当てを利用しても医療費控除には何の影響も与えないため、うつ病を理由にして入院をしてその費用を医療費控除として申請することも可能です。
この際に確定申告をすることで所得税が還付されることもあるため、慎重に考えておきたい部分です。
まとめ
うつ病にかかり、仕事ができそうにない場合はすぐに休んでしまうことが大切です。
職場によっては人のやりくりがつかないため、すぐに休むことができないこともあります。
ただ基本的にはすぐ休ませてもらうのが理想です。
最悪の場合、退職をしても傷病手当てをもらい続けることはできるため、休んでいる最中に色々なことを考えるのもおすすめです。
ちゃんとした手続きを踏めば、暮らしていくには十分な手当てを受け取ることができるため、ゆっくり体を休めて病気を治して復帰するのが一番です。