正月の準備で鏡餅を飾る所は数多くありますが、その場合はただ餅の上にミカンを置けば良いと言う訳ではなく、実は正しい飾り方があります。
地域によっても少々飾り方が違って来ることも有りますが、基本は半紙、裏白、ゆずりは、橙を利用する形です。
目次
鏡餅の正しい飾り方
最初に半紙2枚を垂らして敷いたら、裏白とゆずりはを置いて、大きな餅、小さな餅を重ねて最後にてっぺんに橙を置きます。
裏白は長寿の省庁として、さらにゆずりはは家計存続の象徴として利用されています。
また裏白は清廉潔白の象徴と言う事で、裏側の白い方を見えるようにして敷くと言うのが従来の形となっています。
しかしこれに関しては表面の緑色の方を見えるようにして敷いても良いとされる事も多い為、その地域の慣習に合わせて敷きます。
イラスト等を見ると、餅の下に木製でできている三方を置いているデザインも良く見かけますが、三方がなくても問題は有りません。
鏡餅を飾る場所
この様に半紙、裏白、ゆずりは、鏡餅、橙がワンセットになって用意できたら、あとは飾るだけです。
飾る場所は床の間が一般的となっていますが、現在の住宅では床の間が無い所も少なくありません。
その場合は客間に有る棚の上や、下駄箱の上等飾る事が出来る場所に設置するのが一般的な形です。
床の間等に飾るのは12月28日からが最適となっています。
これは、末広がりの意味があるからです。
地方によっては鏡餅に昆布、串柿、末広、エビ等を飾る場合がある
ただこれは基本的な飾り方で、実際に地方によってはこれ以外にも様々な縁起物を飾る形が有ります。
例えば昆布、串柿、末広、エビ等です。
昆布はおせち料理にも入れるものですが、「よろこぶ」と言うごろ合わせから縁起の良い物とされています。
昆布は餅と餅の間に挟む形で、正面に垂らしたり横向きに挟んだりする形で利用します。
串柿は三種の神器の一つである剣になぞらえて利用する物で、1本の竹串に10個の干し柿を刺しています。
末広は末広センスの事を言い、鏡餅の一番上に飾って家の今後代々の繁栄を願っています。
エビは長寿を願い物で、鏡餅の正面に見えるように配置する形です。
現在では真空パックの物や、上に橙ではなく飾りを置くと言う形で飾っている人も居ますが、実際には餅とこれらの縁起物を一緒に飾る形が正しい飾り方となっています。
喪中の時の鏡餅は飾ってはいけないのか?
さらに飾り方として知っておくと良いのが喪中の時に関してのルールです。
喪中の場合はおめでたい事は出来るだけ避ける方が良いとされる事も有り、新年の挨拶等も控えるのは当たり前の事です。
ただ鏡餅は例外です。
これはお祝いをする目的で利用するというよりは、報恩感謝の意味を込めて飾る物となっているからです。
したがって、お仏壇等に小型のタイプを飾ったりしたとしても、決してマナー違反となってしまうとは限りません。
関西と九州での鏡餅の飾り方の違い
お正月に飾るのは良く知られていますが、正しい飾り方やマナー等はあまり知られていない事も珍しくありませんが、実は、地域によってもかなり大きな差があります。
例えば関西と九州はその顕著な例です。
特に違うのがいつまで飾るのか、という事です。
基本的には1月11日の鏡開きの時までと言う事になっていますが、これはあくまでも平均的な日にちで、地方によってもそのしきたりは違っています。
関西の鏡開き
関西の場合は1月15日まで飾り、その日になったら木槌などで割って食べます。
包丁等は切腹等を連想させるので、必ず刃物ではないものを利用して割る様にします。
ちなみに関西でも京都はより早く鏡開きを行い、1月4日まで飾って、その後鏡開きと言う形です。
九州の鏡開き
九州は他の地域と同じ様に1月11日が鏡開きです。
江戸時代までは鏡開きと言えば1月20日となっていましたが、当時の将軍徳川家光の忌日が20日だったので、11日に前倒しになったと言う説も存在しています。
1月11日になったら割ってお汁粉等に入れて食べる形となっています。
ただ、真空パックの物等であればある程度の柔らかさも存在していますが、従来のタイプだとどうしても固さが増してしまい、簡単には割れないと言う事も出て来ます。
この場合は水に浸け込んで少しだけ柔らかくしてから割ることも可能です。
まとめ
どんな縁起物を利用するかという事でも地域性が出て来ますが、実際にはいつまで飾るかという点でも地域によって違いがあります。
もちろん現在では鏡餅自体の由来等もあまり知られる事無く、ただ単にお正月のアイテムとして餅を飾ると言う人も居るでしょう。
またお正月の象徴だからこそ飾ると言う人もいるはずです。
ただ実は縁起物を一緒に飾った方が良いとか、飾る日もある程度決まっています。
また、ただ単にどの様に飾るか、どの場所に置くかという事だけでなく、いつまで飾るかという事に関しても知っておくと良いでしょう。
特に関西と九州とでは鏡開きの時期が違っている為、同じ様に飾っておけるわけではありません。
現在ではある程度自由に飾っている人も居ますが、マナー違反となってしまわないようにする為にも、その地域の風習に合わせて飾るとより良いでしょう。